駐輪場に着くまで、フワリくんは喋らなかった。
暗くてよく見えないけど……多分いま、黒い自転車の鍵を外し終えた。
「、ななちゃん、家、どこ、」
「……」
そういえば、フワリくん。
私の家、知らない。
もし真逆だったら、どうするんだろう。
「商店街の、奥、の……ホームセンターの、並び、です、」
伝わった、かな。
「あ、の、……大原、センパイ、」
「、ん?」
「家、反対方向とか、なら、申し訳ないので……私、やっぱり1人で、」
フワリくんが、背負っていたリュックをカゴに押し込んだ。
いつもは多分背負ったまま帰るのに、私を後ろに、乗せる、ため。
「いーよ、別に。」
「…でも、」
「いーの。」
「、…」
言い切られたから、もう、なにも言えない。
いいのかな、ほんとに。
迷惑って……思ってない?


