外はもう暗い。
自転車だって、ライトを点けなきゃ危ないくらいの暗さ。
多分、もうすぐ本当に19時。
玄関にだって、生徒はもう、数えるくらいしかいない。
フワリくんはただ親切で、私が後輩だから、一緒に帰ってくれるだけ。
優しいから、別に私じゃなくても、きっとこんな風にしてくれる。
わかってる。
わかってる、けど。
特別な意味のないフワリくんの行動が……私には、人生を変えちゃうくらい意味のある出来事だから。
緊張して、きっと子供だからこの状況が少し怖くて、目をぎゅっと瞑ったら、…
フワリくんに、名前を呼ばれた。
「ななちゃん。」
開いた目に、フワリくんが映る。
「、なに、……まだ、怖かった、?」
「、…イエ、」
目を瞑っていたからか、怖がっていたって、思われた。
「、行こ、」
「、ハイ、」
学校を……一緒に、出る。
思い出したのは、あの日見た、フワリくんとあずりん先輩が並んで帰る姿。
あんな風に、今、私が、フワリくんと一緒に歩いてる。
私よりずっと大人な3年生にとっては、なんでもないことなのかもしれない。
こんな風に2人で歩いてたって、ただの後輩、なんだろうけど。
子供すぎる私の手は……震えてる。
緊張しすぎて、どうしていいのかわからなくて、震えてる……


