「決めろって、なに決める感じ?」
しっかり者の菊地先輩は、この大人数にもひるむことなく後ろの席から発言していく。
「取りあえずリーダーだな。誰でもいいからやりたいやついるかー?」
「「「…………。」」」
いるわけがない。
誰も、手なんて挙げない。
「よし。じゃあ今から俺と目合ったやつな」
「「「…………。」」」
ものすごい勢いで、みんなの顔が俯いた。
「なんだよ、誰か目ぇ合わせろよ。つーか菊、お前でいい!お前に決定!」
「は、嫌だよ。俺体育祭もリーダーやったし」
「じゃあ山本、お前!」
「あー、俺ね、無理無理。俺がリーダーだとお化け屋敷じゃなくてメイドカフェになっちゃうから」
「なら雄介……」
「できると思う?俺に」
「無理か。……じゃあ、たまには大原」
「やだ。」
「……。」
誰も……本気でやりたがらない。
まさかのここで、時間を使うパターンだ。
他の3年生も絶対やりたくないオーラがすごいし……もう菊地先輩、やっちゃえばいいのに。


