「それに比べてななはさぁ、フワリくん、なんだかんだでななのこと気にかけてくれてるじゃん?」

「えぇ、……ないよ。ないない」

「あるよー。体育祭だって仲良く見えたよ?」

「、…」



体育祭……それは多分、お揃いのハッピ効果。


終わった今は、どちらかと言うとどん底だもん。


だって彼女が、……ね。




「この教室でいいんだよね?」

「うん、」



着いたのは、5階にある空き教室。


普段からあまり使われていない初めて入る教室は、想像以上に殺風景だった。


フワリくん、もう来てる、かな。



「ぁ……」



教室に入ったら、ざわざわとたくさんの人が集まっていた。


喋ったことのない1年生や、見たこともない3年生や2年生たち。


その中で最初に見つけたのは……フワリくん、じゃなくて。


見つけたのは……愛原さん。



「でもでもー、大ちゃん先輩すっごい優しいからぁ」

「そう?俺のほうが優しいんだけどなー」

「自分で優しいって言う時点でアウトだろ」

「あはは~」



「、…」



愛原さんも、ガクバケ係、なんだ。