「でもさぁ、あれ!陸上部!」

「そうそう!みんな全然進んでない中、陸上部だけはただ走るだけだから超速くて逆に笑えた!」



私がフワリくんと2人でいる間、みんなは大爆笑の中にいた。


そんなみんなの手首には、まだ青いミサンガがついたまま。


外してる人もいるけど、つけたままの人もたくさん。


私はもちろん、外せない。


フワリくんは……どう、なんだろう。



「も……1週間てなに……フワリくんに会いたい~……」

「会いに行けばいいじゃん」

「あずりんせんぱーい、会いに来ましたー!って行けば、オッケーじゃない?」

「……」



相当限界、なのかな。


だって3年生の教室に、行ってみようかなって気になってる。



「行って、みる」

「おー、珍しく積極的!」

「ヨッコも一緒に行っといでよ、菊地先輩んとこ」

「うん、……ななが行くなら、……行く!」



この1週間、ヨッコは菊地先輩になんだかんだ会えている。


学食だったり購買だったり、帰りの電車だったり。


なのに菊地先輩と一緒にいるはずのフワリくんには、全然。


フワリくんは一体、どこに隠れているの……。