「あ、の?」
「マイク……」
「マイク?」
「って、どこにある?」
「え、と……放送席、とか?」
そっか!って顔で、フワリくんはまた私の手をぎゅっと握って走り出す。
ただ連れられて走るだけの私は、迷惑にならないようにとまた必死。
「ごめん、がんば、って、!」
「は、はい!」
それでも優しさが伝わってくるから……
また、もっともっと必死になる。
走って辿り着いた放送席で、フワリくんは実況中の放送係の生徒の元へ。
なんだろう?
封筒に、なにが書かれてたんだろう?
「マイク、貸して。」
「え、」
スイッチが入ったままのマイクを、フワリくんが奪った。
その手元から見えたのは、【マイクを使って全校生徒へ一言】って書かれたお題の紙。
全校生徒へ一言って……なに、そのお題。
フワリくんはマイクを持って、大真面目な声で言った。
『あずさ。ちゃんと、考えろ。』
「…、」
『以上。』
頭の中が、一瞬真っ白になった。


