「ななちゃーん、俺の隣も空いてるよー」

「おめぇ、しつけー。来んな。ななちゃんに近寄んな。」



フワリくんが、目の前に移動してきた山本先輩のイスをゲシゲシ蹴る。



「ひどっ。俺なんもしてないのにー」

「つーかヤマ、随分高橋さん気に入ってんね」



雄介先輩まで移動して、近くに座った。



「だってななちゃんメイドの格好とか超似合いそうじゃん?」

「あー。言われてみると確かに」

「ね、ね、ななちゃん、学祭でさ、メイドカフェとか、」

「やんねーし。」

「大ちゃんに聞いてねーし」

「、…」



3年生のお兄さんたちは、私を置いてどんどん話を進めていく。


メイドの格好なんて絶対似合わないし……。


萌え系でもないし……。


そんなことより、フワリくんとあずりん先輩のこと……


フワリくんは結構いつも通りに見える、けど。


わざとそうしてるだけかもしれない。


あずりん先輩とは睨み合っただけで、まだなにも、言葉を交わしていない。



2人の間になにがあったのか……怖いけど、やっぱり気になる。