「あっはっは、あいつあんなとこでもボケーっとしてる」
「緊張感ゼロだね~」
服を脱いで闘志を燃やす生徒もいる中、あまりやる気を感じられないフワリくんがいる。
やる気出せ!って怒ってたはずのあずりん先輩は、大爆笑。
「あずりん先輩、怒らないんですね?」
「ん?あー、まぁ騎馬戦はね、男の熱い戦いを見たい女子のための競技だし。で、なんだかんだ見せてくれると思うんだよね~、熱い戦い」
「え、」
「あいつ身体能力半端ないから」
「体育の成績異様にいいよね~、大ちゃん」
「え、あんなボケーっとしてるのに!?」
「あっはっは、伊集院にまで言われてやんの」
スタートの合図と共に、私は拳をギュッとした。
わあああ!!っと、すごい歓声の中、男子たちが一斉に突進し合う。
すぐにハチマキを取られるチーム、すぐに騎馬が崩れるチーム。
そんな中でフワリくんたちは、……生き残ってる!
「行けーーー!」
「危ない、後ろ後ろ!」
後ろからハチマキを狙われて、見えてないはずなのにひょいっと交わすフワリくん。
その手にはすでに何枚もハチマキを持っている。
ガタイのいい男子生徒がフワリくんのハチマキを狙ってる……けど、伸びてきた腕の下に頭を入れて、逆に相手のハチマキを取る。
菊地先輩たちもどこに動けばフワリくんがやり易いのか、把握していて息ぴったり。
両サイドから手を伸ばされてもひょいっと交わすフワリくんは、なんていうか……動きが軽い。
「ほんとあいつすばしっこい」
「普段とのギャップにみんな萌えてるんじゃない?」
すごい……
すごいすごい!
フワリくん超かっこいい!!
気がつくと、私とヨッコは立ち上がって手を握り合っていた。
「やばい、やばいね!」
「、…かっこいい、!」
「あっはっは」


