涙を堪えるのって、ほんとに難しい。
フワリくんの優しさにすら出たがる涙は、俯くことでしか隠せない。
なのに俯いたら余計に出たがって、不都合だらけ……
恋は本当に試練の連続で、思うようにいかないことばかり。
目の前に座るあずりん先輩を、フワリくんはなにを想って見てるのか。
告白は、いつ……なんて言うのか……
その想いは、実る、のか……
頭の中はもう、体育祭どころじゃない。
「お、次はアメ食い競争」
わーわー盛り上がるグラウンド。
アメを取るために顔を小麦で真っ白に染めた生徒たちが、おおはしゃぎしてる。
「あー、私これ出りゃよかったな」
「え、これ出たがる女子初めて見た」
あずりん先輩みたいになれば、フワリくんからの好きがもらえるのかな。
フワリくんの特別な女の子に、なれるのかな。
だけど絶対無理。
私なんかよりよっぽど大人で、みんなの中心にいて、かっこいいあずりん先輩にいくら憧れたって……
私なんかじゃ、絶対にこの人みたいには、なれない……
「、飲みもん、買って、くる、?」
「、…」
「熱中症、かもしんねぇ、し。」
「…、、」
優しくされると、苦しい。
本当に本気で、息が詰まりそう……
「アリガトウ、ゴザイマス、……でも、大丈夫、です、」
顔を、あげた。
大盛り上がりの体育祭、みんなに、心配をかけたくない。
今はまだ、ギリギリ、笑っていられるから……
だから大丈夫……


