「私のどこがどう鈍感なのよ」
「……。」
「言え。わかるように言え」
「あと、で……。」
「はぁー!?今すぐここで吐け、」
「100メートル走、始まるよ」
「……。」
「……。」
助け舟を出すように、菊地先輩がフワリくんの隣に座った。
あと、で……
あとで……何。
あとで言うの?
伝えるの?
フワリくん、あずりん先輩に、気持ち伝えるの……?
・
・
・
「行けーー!雄介ーーーっ!」
「きゃーー!1位!」
「、…」
大盛り上がりの100メートル走。
その中で私は、ただ俯くだけ……
だって……あとでって……
雄介先輩が1着でゴールして、前列のみんなが立ち上がって大歓声を送る中。
私は、ただじっと、握った自分の拳を見てた。
体育祭はカップルが増える。
告白する人も、告白される人も、きっと沢山いる二日間。
男女交際禁止って、いくらでっかく書いてたって、告白するのがフワリくんで、告白されるのがあずりん先輩なら、こんな文字、なんの意味もない……
「……ななちゃん……?」
「、…」
「具合、悪ぃの?」
「、イエ……」
「……」
「大丈夫、デス、」


