「すご、大原先輩、天才、」
「、…」
「すごい、!」
「ぃゃ、うん、あんが、と。」
恥ずかしそうに俯いたフワリくんが、本当に天才に見える。
だってこんなすごい絵、どうしたら描けるの!?
「すぐるー、よくやった。これで旗1位は確実だな」
「うんうん、大ちゃんほんとすごい!よくやった!」
「俺じゃ、ねぇ、し。」
「ん?」
「みんな、がんばってた、し。」
みんなで作った旗だからって、照れながら訴えるフワリくんはやっぱりかっこいい。
私の好きな人が、こんなにも素敵な人でよかった。
フワリくんを好きになって、よかった……
9時丁度。
チームごとにグラウンドに整列して開会式が始まる。
全校生徒の手には、1人1個配られたクラッカー。
「なんでクラッカーなんですか?」
「ん?毎年恒例なのよ、これ」
隣のあずりん先輩は、にやにや笑ってて楽しそう。
校長先生の長い挨拶のあと、代わって台に乗ったのは生徒会長。
それだけで、どっと沸きだす生徒たち。
きゃーきゃー言う女子生徒と、わーわー雄叫びをあげる男子。
あずりん先輩の元カレ、すごい人気者……。
「バカだねぇ、相変わらず」
「、…」


