「え、なにそれ浮気防止のため?」

「……。」

「……。」



歩く途中で出くわしたのは、またしても生徒会長。


生徒会用の分厚いしおりを持っていて、真っ赤なTシャツに黄色いハッピで超ド派手な格好だ。



「男女交際禁止って、そんなでかでか書いちゃうくらい取られたくないなら常に一緒にいりゃいいじゃん」

「ちがっ、こ、れは、」

「あ、言われなくても一緒にいるか。俺ら会う時いつも2人でいるもんね」

「、…」

「はいはい、どうもごちそうさんでしたー。じゃあ俺人捜してるから行くわ」



ド派手な衣装を纏った生徒会長は、大声で笑いながら通り過ぎて行った。


その間も、相変わらず女子からの視線がすごい。



「、…やっぱこれ、目立、つ?」

「みたいです、ね」



もう若干、春田先輩にからかわれるのには慣れてきた。


実際は春田先輩が思っているような関係じゃ、ないのに。


でも確かに、これを書いていればフワリくんが誰かに取られることはないの、かな。


いや、こんなふざけたもの、真に受ける人なんていないか……。