「2人は同じチーム、なんですね」
愛原さんが、パンを食べながらそんな話を切り出した。
私はなぜか、怯える……
「うん、俺ら同じチーム。」
「……いいですね」
「ん……?」
「私も、大ちゃん先輩と同じチームになりたかった」
「、…」
あまりにも積極的な愛原さんに、パンを食べる手が止まってしまった。
だって目の前で、って……私、どんな顔をしていればいいの。
「同じチームだったら、……もっと、いっぱい一緒にいられたのに」
遠回しに、もう好きって言ってるようなもの。
そして私に、邪魔って言ってるようなもの……
どうしよう……
「ななちゃん。」
このタイミングで、フワリくんが私を呼んだ。
だけどちゃんと、理由はあるようで……
「あずさ、呼んでる、」
「え、」
フワリくんが見ている方に振り向くと、学食の入り口で、あずりん先輩が手招きしていた。
行かなきゃ。
この2人を残して、行かなきゃ……
「パン、ご馳走さま、でした」
「うん。」
立ち上がってすぐ、逃げるようにあずりん先輩の元に向かった。
だってあんな場面は見ていられない。
私がいなくなって、あの2人がどんな話をするのか。
フワリくんはなんて答えるのか。
考えただけで泣きそうなのに……
それでもあそこは、いられないよ……


