「あ……」
「…?」
そういえばって、今更だけど思った。
フワリくんはどうして私の名前を知っていたのか、まだ聞けていなかったから。
もう本当に終わるなら、それくらい、知ることぐらい、出来る、かな……
「大原、先輩、」
「ん?」
こっちを向いた視線が近くて、少し、俯いた。
だってこんな距離で、目なんて見られるわけがない……
「あ、の……私の名前……何で知ってたん、デスカ、」
「……」
「、…」
「……」
「…、」
なにも答えてくれないのは、なぜ。
変な質問だった、から?
それとも私、またなにか気に障ること……
怖くなって、顔を上げた。
「あの、ゴメンナサ、」
不安な私の目に映ったフワリくんの顔は、少し、赤い。
「な…」
「……」
「んで、って、」
「え、」
「なんっ…」
「……」
なにが、なんだか……よくわからない。
私の質問、やっぱり変、だった?


