ふんわり王子と甘い恋♡




なにも喋らない私と、なにも言わないフワリくん。


隣同士のはずなのに、心の距離は、うんと遠い。


卓球の合間に、あずりん先輩が出ているバレーをチラチラ見るフワリくんが……苦しい。


見たいなら、移動してもっと近くで見ればいいのに。


わざわざこんな遠くまで連れてきて、私の隣でそんな風にチラ見しないでよ、って。


視線の行方がわかってしまうこの距離が、今はツライ……



「衣装、間に合いそ?」

「……ハイ、」

「そ、っか。」



ありきたりな、無難な会話が胸を痛める。



「旗は、間に合い、ますか?」

「ギリ、ね。」

「、…」



笑った横顔が、胸を痛める。


今は何を見たって、何を聞いたって、全てが胸を痛めるんだ……