「……」
「……」
バレーのほうは大盛り上がりで、その中心にはやっぱりあずりん先輩がいる。
サーブを打つ度、レシーブを拾う度、スパイクを決める度、歓声がとにかく凄い。
なにをしたってかっこいいあずりん先輩に、1年女子はみんな釘付け。
そんな中で私は、山本先輩の卓球姿を遠目に見ていた。
「あ、の…」
「うん?」
「朝倉、先輩の、こと……」
「……」
「ほんとに怒って……ない、ですか?」
怒ってないならどうしてあんな態度だったのか……
それが知りたい。
「俺、怒んない、し。」
「……」
「ななちゃん、悪いことしてねぇ、し。」
「、…」
悪いことしてねぇしって言うフワリくんの口調は、やっぱり拗ねてる子供みたい。
怒ってはないのかもしれないけど、拗ねて、る……?
なんで……


