体育の授業が始まった。
私は後半のフットサルに出るから、授業の前半は結構退屈。
バレーと卓球に出るみんなを、応援するだけ。
「フワリくんってなにに出るの?」
「……知らない」
バレーにも卓球にも参加していないから、フワリくんもフットサルに出るのかな。
なんて……考えたところでもう、この恋はどうにもならない。
怒らせてしまった後悔と、嫌われてしまった悲しみに、私はもう耐えられそうにないから。
「わ、すごい!あずりん先輩ってバレー部だっけ?」
「ううん、バレー部にはいないよ~」
「へー、じゃあ素で上手いんだ」
あずりん先輩はバレーに出ている。
だから私はとにかくそれを応援した。
友達たちと座って、コートの中のあずりん先輩にエールを送る。
だけど……どんなに応援に集中したって、背中の向こうの男子の競技が気になって仕方ない。
見えないように、映らないようにしてるのに、結局どうしたって気になっちゃう。


