「私お姉ちゃんいるから知ってるんだけどね、この学校の体育際、みんなが張り切るのには理由があってね」
話しだしたもゆぴーに、視線は一気に集中。
「なになに」
「理由って?賞金?」
「やらしいね、それ」
「違う違う、お金じゃなくて、優勝したチームには特別に休みがもらえるの」
「休み?」
「そう、その休みの日になにをするかといったら、優勝した2クラス合同でバーベキューをするんだって」
「バーベキュー!」
「それが毎年すっごい楽しいらしくて、生徒の中で人気みたい」
バーベキュー……
フワリくんと、バーベキュー……
バーベ……
「無理、絶対無理……緊張して火おこせない……」
「いや、誰も頼んでないから」
頭の中はいつだってフワリくんのことばかり。
おおはら、……せんぱい。
いつか目の前で、言葉を交わせる日が来るのかな。
妄想の中ですらうまく話せない私は、フワリくんにこれ以上近づくことなんて出来るんだろうか。
話したいのに、話したくない。
かっこわるいとこ、見せたくない。
恥ずかしいと思ってるなんて、思われたくない。
好きってばれたらどうしよう。
頭を巡る色んなものが邪魔をして、私を臆病にしてしまう。
好きだから怖くて、好きだから嬉しくて。
全然会えないけど、声も聞けないけど。
そんな距離だからこそ感じられる幸せがある。
会えた日の嬉しさは半端ない。
会えなかった日の悲しさも半端ない。
ねぇもりりん。
青春って、案外深いものですね。


