「あ、の……朝倉、先輩」
大きな朝倉先輩は、一際目立つ。
応援団って感じでガタイが良くて……なんとなくだけど、きっとラグビー部。
「なに?」
「あ、の……衣装のサイズ、わからなくなっちゃって、」
心臓は、朝倉先輩へのビクビクとフワリくんへのズキズキが入り乱れてる、変な感じ。
サイズを聞いて、早く1年生の教室に戻ろう。
「え、また?さっき大ちゃんにも教えたんだけど」
「、…」
やっぱり、フワリくんはサイズを聞いてくれていた。
それでも私のところに来なかったのは……絶対、避けられたから。
私……なにを……
フワリくんに嫌われるようなこと、なにを……した……?
「、……スミマセン……もう1回、教えてください」
「うん。サイズ、エルエル」
「エルエル……」
「でかいでしょ。俺ラグビー部だから」
「あ、やっぱり…」
朝倉先輩は、フワリくんよりもずっと大きい。
華奢なフワリくんと違って、全部が大きい。
背も、肩幅も、胸板も、腕も、首も……全然、違う。
同じ男子なのにこんなにも違うんだって……華奢なフワリくんよりも小さな私は、少し驚いた。