「つーか朝倉ならさっき3-2にいたけど」
「は、……なんで、教室」
「3年2組の生徒が教室にいてなにが悪い」
「……。」
「、…」
確かに……。
フワリくんは朝倉先輩を妙に悪者にしたがるけど、教室にいることはなにも悪くないしむしろ普通のことだ。
「じゃ、教室、行こ」
「え、……いいん、ですか?」
あずりん先輩がいるのに、私と教室に行っても、いいの?
「え、なに、が?」
「え」
「え?」
この感じ……別にいいみたい、だけど。
あずりん先輩の前で私と行動してくれるからって、変に期待しちゃいけない。
フワリくんは旗を描かなきゃいけないから、教室に行くだけ。
旗係、遅れてるんだもん。
「な、に、?」
「あ、イエ……」
2人して意味不明に合っていた目が、途端に恥ずかしくなって同時に逸らした。
「……スポーツマンシップ、ちゃんとのっとれよ」
「う、ハイ…」
その声に視線を向けた、あずりん先輩の向こう。
遠くから泣きそうな顔でこっちを見る、
谷ぽんの友達の、あの子が……いた。


