目の前のイスにドカッと座って、あずりん先輩は足を組んでパンを食べだす。
「あーあ、メロンパンなんかじゃ足りねぇ。疲れてる体には全っ然足りねぇ」
「お前、その態度……ほんとに女子高生、か。」
「うるさいなー。つーかなに、仲良くミサンガつけた2人が今度はなに、学食デート?はいはいスミマセンねお邪魔して」
「……。」
「、…」
あずりん先輩の声が大きくて、近くにいた人たちがみんな振り返ってくる。
「あ、さ、くら!あずさ、朝倉、」
「はー?私朝倉じゃないけど。なに、色ボケで頭までおかしくなっちゃったのすぐるくん」
「ち、が、」
「ほんっと体育祭だの学祭だのどうしてカップルが増えるかねー。なに、最近の若い子は行事をなんだと思ってるの?体育祭はね、男女がイチャイチャするもんじゃないんだよ。スポーツマンシップにのっとり、正々堂々と勝負するもんなんだよ!」
この人は……本当に女子高生、なんだろうか。
「お、まえ、だって、」
「なに」
「……去年、瞬くんと、」
「すぐるくん。それ以上言ったらその口にメロンパン詰め込みたくなるから黙ろうか」
「……。」
会話は……ピタリと止まった。
あずりん先輩の前で、春田先輩の話は、……多分、タブー。


