フワリくんを待っている間、中からは凄まじい雄叫びが聞こえ続ける。
応援合戦の練習なのか、色んなチームが叫び合っていて……怖い。
ほんとにどのチームも優勝を狙ってるんだなって……応援団の声を聞きながら、その熱量を改めて知る。
1年生も2年生も3年生も、全学年、全クラスが狙う優勝旗。
普通なら3年生は必死に勉強する時期なんだろうけど、この学校の生徒はとことん行事に全力だ。
「ごめん、……朝倉、いなかった。」
体育館から出来て来たフワリくんが、私に謝る。
朝倉先輩がここにいないのは、フワリくんのせいじゃないのに。
「学食、かも」
「、…」
「行こ?」
フワリくんが、再び歩き出す。
旗、描きに行かなくて大丈夫なのかな。
付き合わせて、迷惑なんじゃないかな。
「あ、の……スミマセン、手伝って、もらって」
「なんでななちゃんが謝んの。」
「だって……」
「ななちゃん、なんも悪くないし。」
そうかもしれない、けど。
「悪ぃのは、ここにいない朝倉、だ。」
「、…」
多分……いや絶対、朝倉先輩は悪くない。


