体育館はこっちの校舎にはなくて、春田先輩たちが過ごす校舎の1階にある。
渡り廊下を渡って、学食を通り越して、更に奥に行ったところ。
応援団が体育館でどんなことをやっているのか、私はよく知らない。
今まで関わることのなかった係に、少し興味が沸いてくる。
「お。聞こえてきた。」
「あ……」
体育館に近付くにつれ聞こえてくる声。
野太い、男子たちの雄叫びだ。
「ななちゃん、ここで待ってて。朝倉に、サイズ聞いてくる。」
体育館の前で、フワリくんが私にストップを掛けた。
「え、や……私が聞きに、」
「こん中、男ばっかだから、」
「……」
「雰囲気だけで……怖いと、思う。」
フワリくんは……本当に優しい。
男子だらけの体育館に私が入り辛いからって、優しい気遣いで助けてくれる。
そんなの、私を守ってくれる王子様にしか見えないし。
「じゃあ、お願い、します、……」
「ん。ちょっと、待っててね。」
私の王子様は、体育館のドアを開け、中へと消えていった。
その時に少しだけ見えたドアの向こうは……
「う、あ……」
本当に男子たちがたくさん。
女子の応援団はゼロなのか、少し見えた空間はまるで男子校のようだった。


