廊下に出て少し歩いたところで、フワリくんが手首を離す。
「ごめ、あいつら……いっつもうるせぇ、の。」
「……いっつも……」
そんなにいつも、フワリくんと一緒にいる、ってこと……
「あ、ち、が、……」
「、…」
「変な意味、じゃ、なくて……」
一瞬立ち止まったフワリくんが気まずそうにまた歩くから、私も慌ててついて行く。
「……モテ、ます、ね……」
「ちがっ。……あいつ、むっちゃんはヤマの妹、で、」
「え、」
「も1人、マッキーは、ヤマの彼女。」
「あ……」
そういえば山本先輩は彼女持ちだって言っていた。
さっきの先輩のこと、だったんだ。
家に来たって話をしていたのは、山本先輩の妹さん。
じゃあ女の子の家に行ったんじゃなくて、山本先輩の家に遊びに行っただけ。
でも……
1番気になったのは、妹のむっちゃんさんでも、彼女のマッキーさんでもない。
『彼女作ったらダメだよー』って笑いながら言っていた、春子さんて人。
『春子は大ちゃん大好きだからね』って、言われてたけど……
その好きは、どれくらいの好き……?
あんな風に笑えちゃうくらいの好きは、よく分からない。
私は……泣けちゃうくらい、この人が好きだから。
「朝倉……応援団、だから……多分、体育館にいる。」
「、…」
連れて行ってくれるのか、フワリくんの足はもうずっと体育館のほうに向かっている。


