「サイズ……、エム。」
「えむ……」
「ん。エム。」
私の頭はいらないことまで考えすぎなのか、フワリくんは特に怪しむことなく答えてくれた。
エム、を聞いて、その後はパネル係の人たちを、ただ見つめる。
だって、仕事が終わってしまった。
フワリくんの隣にいる理由が、なくなってしまった。
お礼を言って教室に戻らなきゃ……って思ったとき、忘れていたもう1つの仕事を思い出す。
「あ、の……」
「……ん?」
「朝、倉先輩、って……」
「……」
「……どの人、ですか」
「朝倉……」
「サイズ、聞きに行かなきゃ、で……」
頼まれていたもう1人の名前は、今まで関わったどの先輩の口からも聞いたことはない。
どこの誰なのか、どんな人なのか。
男子なのか女子なのか。
情報は、ゼロに等しいどころかゼロだ。
「あ、大ちゃん見っけー」
「あはは、またコーヒー牛乳飲んでる~」
「きゃーっ、こんにちは」
「……。」
目の前に現れた、見たことない女子3人組。
見えた3人の靴が、みんな揃って赤のラインだから2年生。
……フワリくん、2年生の女子とも親しいの?


