「え、と……それはつまり?」
「ほら見て、フワリくんの名前の横。サイズ書いてある部分、抹茶が沁みて見えないの。サイズがなにかわからなくなっちゃったの」
「そ、それで?」
「だからお願い、聞いてきて!」
「……!」
き……聞いて、くる……って、
両手を合わせて、イッカちゃんがお願いのポーズで私を見てる。
「あとこの朝倉って人のも汚れて見えないから、ついでに聞いてきてほしいな~」
「……。」
うそ……。
フワリくんに、会える……?
・
・
・
イッカちゃんに頼まれて、3-2の教室へ向かう。
頻繁に来ている教室も、フワリくん目的となると緊張の度合いが全然違う。
フワリくん、いるかな。
どうしよう、いたらなんて声掛けよう……
私から声を掛けたことなんてないから、最初の一言が分からない。
訳を話して衣装のサイズを聞けばいいだけなんだけど……
今からこんなにバクバクで……私、ほんとに大丈夫?
緊張を引き連れて覗いた教室の中に……フワリくんの姿は、
ない。
旗係はいるけど、フワリくんはいない。
緊張した分、損した気分……。


