「なな!」
渡り廊下を早歩きで進む途中、ヨッコの声に足を止めた。
涙を隠すように俯いたら、足元にはヨッコの靴と、菊地先輩の靴が見えた。
友達の恋、邪魔しちゃった……
「……どうしたの?大丈夫?」
「、…ごめ、……大丈夫」
「あの、すみません、私ここで、」
「うん、了解」
「あ、肉まん、ご馳走様でした」
「いえいえ。じゃあまたね」
そっか、肉まん、ご馳走してもらったんだね。
「……ふふ、」
「え?」
菊地先輩の靴が通り過ぎたあと、ヨッコが肉まんをご馳走してもらえたことが嬉しくて少し笑えた。
「ごめん、菊地先輩といたのに……」
「いいよ、どうせ学食入ったらバイバイだし」
「、…」
学食……
フワリくんとあずりん先輩は、今頃どんな話をしているんだろう。
あずりん先輩は、フワリくんのこと、きっといっぱい笑わせてる。
私が見たい笑顔を、何度も何度も向けてもらってる。
ズルイ……
うらやましい……
悔しい…………
「、…」
胸が痛くて、苦しい。
フワリくんが好きで、痛くて死にそう。
私のこと、好きになってもらいたかったのに。
フワリくんの特別な女の子に……なりたかったのに。


