ぶつかった視線はすぐに逸らされて、フワリくんは女の先輩の隣に座り談笑を始めた。
「なぁ、さっき兄貴と伊集院一緒に購買にいたけど、いいの?」
「なにが……」
いいもなにも、行かせたのは私だし。
言ってる意味がわかんない……
「だってお前、兄貴の事、」
「あ……」
「え?」
菊地弟の向こうに見える、フワリくんの席。
そこに……フワリくんの左横に、あずりん先輩が座った。
あずりん先輩が食べるクリームパンを、フワリくんが取り上げて……
ひと口、食べた。
「、…」
「……高橋?」
私にそんな光景を見せて、これ以上、ここでどうしろっていうんだろう。
2人が楽しそうに笑うのを、どんな顔して見れっていうんだろう……
強い気持ちが勝つのなら、絶対に負けない自信があるのに。
どうして恋は、想いの強さでは決まらないんだろう……
「私、菊地先輩じゃない。……好きな人、他にいるから」
「え……」
「、……ごめん、も、行く」
「、…」
滲んだ涙をぐっと堪えて、学食の出口に向かった。
泣いてるって、菊地弟に思われたかもしれない。
でも今は、そんなことを気にしている余裕もない……


