「席、ありそ?」
「はい、……大丈夫、デス」
学食の中で、フワリくんと別れた。
フワリくんはさっきの女の先輩のところへ向かって行くから、その背中を見送る。
5、6人分とってある席は、きっと3年生みんなで座るため。
その席に、あずりん先輩も来るのかな……
フワリくんはいつかあずりん先輩に、気持ち、伝えるのかな……
「あ、高橋!」
ザワザワと賑わう学食内で、男子に呼ばれた名前。
たくさんいるであろう『高橋』だけど、私のことだってわかったのは、呼んでいる菊地弟がフワリくんのほうから歩いてきたから。
視界にはフワリくんしか入っていなかったけど、呼ばれた瞬間、その視線は菊地弟へ移った。
だけどそのとき、視界の隅でフワリくんが振り向いた気がして……
ほんの一瞬、
「…、」
「……」
目が、合った。


