優しい人の周りには優しい人が集まるって、あずりん先輩の言葉が今になって身に沁みてくる。



「お、あんま混んでないね」

「みんな切羽詰まってるから真面目に作業してんだろ」

「切羽詰まってるのにここにいる俺らって」



ついた学食は、お昼どきに比べたら相当空いている。


山本先輩に貰ったパンを両手でギュッと持って、私は3人の先輩の後ろを着いて歩いた。


本当にここにいていいのか……疑問は消えることなく頭を回り続ける。



「でもさぁ、高橋さんも大変だよね、佐伯なんかと同じ係で」

「え、いや……」



座ったのは、ドアに1番近い場所。


私の隣には菊地先輩が座ってる。


前にはピアスいっぱいの山本先輩と、少し天然ぽい雄介先輩が座ってる。


時々感じられる視線で分かるのは、菊地先輩に向けられている女子からの視線。


モテ、るんだ……菊地先輩。


ヨッコ……がんばれ……。