「大ちゃん待ってんなら高橋さんも一緒に学食行こうよ」

「え、」

「菊地くーん、私の今の話し聞いてたー?私の彼女に指一本触れんじゃねぇぞって言ったはずなんだけどなー」

「触れないって。それにこんなとこで1人待ちぼうけのほうがかわいそうじゃん」



菊地先輩は……ヨッコの好きな人は……とっても優しい人だと知った。


いや、でも!


よく知りもしない3年生男子たちの中、学食なんて無理!


居辛いし緊張するし……とにかく無理!



「まぁそれもそうね」

「じゃあ大ちゃんには高橋さん学食にいるってLINE、」

「ダメ、あいつスマホ持ち歩かないタイプ。お、山本くんいいもの待ってんじゃない」

「は?」



あずりん先輩が目を着けたのは、山本先輩が持っている絵の具の入った袋。


その中には絵の具の他に、マジックや鉛筆、筆や消しゴムなんかも入っている。


その中から、あずりん先輩が取りだしたのは、黒のマジック。



「雄介くん、そのチラシをくださいな」

「これ?」

「そう」