「うわ~……細かい。細かすぎる。細かすぎて引くわ~。すぐるー、あんた1年の子たちいじめる気でしょ?」
旗に描いている絵を見て、あずりん先輩は仁王立ちでフワリくんを見おろす。
「こんな細かい絵描かされて、可哀そうに。」
「……。」
うるせぇよとでも言いたげな顔で、フワリくんはあずりん先輩を見上げた。
フワリくん、眉間にシワが寄ってる。
普段はあんまり見られないその表情が……また素敵。
「佐伯ー、まじ言ってやってよ。そんな絵大ちゃんしか描けねぇっつーの」
「ですってよ。クレーム来てますけどすぐるさん」
「……うる、せぇぞ雄介。」
「まぁ確かに、いつ見てもなにもしてない雄介に文句言う資格はないけど。そんなことよりもすぐるくん、この絵、こんな細かくて体育祭に間に合うの?」
「……間に、合わ、…せる。」
責められっぱなしのフワリくんの絵が、一体どんなものなのか。
見てみたいけど、あの2人の傍にいくのは、嫌だ……
「……応援旗で、1位になれば……優勝、近づく。」
「はい?」
「……んだよ。」
「え、待って。あんた優勝したいの?1位になりたいの?嘘でしょ?」
「……。」
「だって去年超やる気なかったじゃん!私がどんだけやる気出せって言っても出さなかったじゃん!なに、今年から急になんなの、意味わかんない!」
「……別に。……バーベキューが、」
「バーベキューとか興味なかったじゃん!」
「……。……最後の、体育祭、だし。」
最後の体育祭。
最後だから、あずりん先輩とバーベキューがしたくて、やる気を出してるのかな。
そうなの……かな。


