「よっしゃ、ちゃっちゃとミサンガ作るかー!」
「1番不器用が1番張り切ってる」
「うるさーい!ミサンガってのはね、気持ちなの。不器用とか下手くそとかは関係ない!強く願えば、ちゃんと気持ちは届くんだから」
強く願えば……私の気持ちも、届くかな。
あずりん先輩が言うのなら、本当にそんな気がしてくる。
恋のライバルかもしれない相手に救われるって……ちょっと笑えるな。
「んで、旗係の様子はどうなのよ?」
ちゃっちゃと作ると言ったはずのあずりん先輩が、旗係の様子を見に向かった。
見えるのは、窓際の壁に寄りかかって座っている雄介先輩と、その近くで作業をしている旗係の人たち。
私の位置からはフワリくんの横顔がよく見える。
あずりん先輩を見るフリをして、私の目はチラチラとその横顔に流れてく。
片膝を立てて鉛筆をクルクル回すフワリくんは、目の前に立ったあずりん先輩を見上げた。
フワリくんの目に、あずりん先輩はどんな風に映っているんだろう……
特別な、女の子……なの、かな。


