やっと息が大きく吸えるようになって、全身の力が抜けていく……
フワリくんは今でもすぐそこにいるけど。
数メートル先にいるんだけど。
さっきまでの近さに比べたら、天と地ぐらいの差に感じてしまう。
改めて鳴るドキドキに、胸に手を当てた。
近づけば近づくほど、知れば知るほど好きになる。
一昨日より、昨日より、1時間前より、
どんどんどんどん好きになる……
私本当に、恋焦がれて死んじゃいそう。
1年生が苦戦していた絵を眺めて、ふにゃっと笑うフワリくん。
鉛筆を摘まんでプラプラ揺らすその姿が、可愛くて仕方ない。
「ただいまー、ごめんね、遅くなった!」
「ごめんねぇ、こき使われちゃって……」
教室に戻って来たのは、あずりん先輩とスー先輩。
「あ、全然、大丈夫です」
「あれ、伊集院は?」
「菊地先輩に雑用頼まれたみたいで、」
「えっ、そうなの!?じゃあ高橋1人だったんだ、ごめんー!」
「あ、いえ、あの……全然、」
むしろ1人にしてくれてありがとうなんて……言えない、けど。
フワリくんが一緒にいてくれたから全然平気でした、なんて……もっと言えない。
「あれ?ミサンガもうつけてんの?」
「あ、……ハイ、」
「え、なぜ照れる」
「、、、」
フワリくんとお揃いのミサンガは、どうしたって私を熱くする。
自分で作ったミサンガなのに、フワリくんがつけてくれたってだけで、こんなのもう……宝物だ。


