フワリくんは今、なにを思って隣に座っているんだろう。
どうして絵、描かないのかな。
3年生の旗係は雄介先輩しか見当たらないけど、雄介先輩はずっとスマホをいじってる。
描いてるのは……1年生だけ。
1年生だけだから、描け、なんてフワリくんは言われないんだろうけど。
だからって、なんで隣に……
「……ミサンガ。ってさ。」
「、…」
「……願い事、する、やつ?」
「…そう、デス、…」
しばらく静かな時間が続いていたから、会話はまたぎこちない。
フワリくんは、叶えたい願い事、あるのかな…?
ゆっくりに戻った心臓は、フワリくんが声を出すだけで、あっけなく速度をあげていく。
穏やかに流れる空気は、心臓の速度と矛盾するように流れてく。
フワリくんが頬杖着いて体を動かす。
そんな些細な動きにすら、私は反応してしまう……
まるでなにかの病気みたいに、乱れっぱなしの心臓が苦しい。
“いつか私の気持ちが、あなたに届きますように。”
ミサンガにこっそり願ったことは、誰にも内緒。
2人だけのミサンガは、すぐにみんなでお揃い、になってしまうけど。
今だけは、私とフワリくんだけのお揃いだもん。
そんなの、嬉しいに決まってる……


