「……手、貸して。」
「え、」
「手。」
「、…」
戸惑っている私の右手を、フワリくんはためらうことなく掴まえた。
完全にこっちに向けられている体と、掴まれた手。
触れた場所にジワジワと熱が込み上げて、熱い……
フワリくんは机の上に置いてある、完成された下手っぴなミサンガを持ち。
私の腕に捲く。
そして、結ぶ。
「…、、」
「……」
ドクドクドクドク、絶対聞こえてしまう音が鳴る。
真剣にミサンガを結ぶフワリくんの指先が手首に触れて、熱くなる……
ていうか……今、……なにが起きてるの……?
「……」
「……。」
「……」
「……。」
「……うし。出来た。」
右腕に捲かれたミサンガ。
私とフワリくん、2人だけしかつけていない、ミサンガ。
私は一体、ここで、フワリくんとなにをやっているんだろう。
最低最悪の日、……だったはずなのに。
気持ちは確かに、どん底だったはずなのに……
腕に捲かれたミサンガは、体育祭、優勝出来るようにって作ったもの。
だけど私、このままだと違うことをお願いしそう。
いつかフワリくんと……って。
ミサンガにお願いしちゃいそう……


