緊張してうまく手が動かなくて、フワリくんに気持ちがバレちゃうんじゃないかって、焦る分だけ時間はかかる。
フワリくんが目を開けちゃうんじゃないかって、思えば思う程どんどん焦る。
指先は、思ったよりも素直。
まるで指が心臓になったかのように、緊張がそこに集中している……
悪戦苦闘とはまさしくこのこと。
多分、普通にミサンガを巻くのにかかる時間の数倍、時間はかかった。
やっと……でき、た……。
ぎゅっと結び終えたときには、極度の緊張から解放されて、思わず泣きそうになってしまった。
手作りの青色のミサンガは、フワリくんの手首によく似合う。
「……でき、まし、た」
「……お。あんがと」
フワリくんの腕には、大きなゴツイ腕時計と……
私が編んだ、へたっぴなミサンガ。
まだ誰も着けていないミサンガを、フワリくんだけがつけている。
ドクドク鳴る胸が……
小さく震える体が……
へたっぴなミサンガが……私に幸せをくれる。
あんなに時間がかかったのに、目を開けないでずっと待っていてくれたフワリくんの優しさが……
私に幸せをくれる……


