「あ、そだ。今日の放課後ね、私とスーちゃんちょっとだけ他の係に手伝い頼まれてるから、3‐2で先にミサンガ作り始めててくれる?」
「あ、はい」
「かわゆい2人のためにすぐに終わらせて行くからねー」
「…はい」
「つーかなに?なんか元気ない?」
知り合って間もない私の変化にも気づいてくれる。
この人は、やっぱりかっこいい。
やっぱり勝てるわけ……ない。
「元気、ですよ…?」
「そう?」
「はい、」
「んー。まぁなんかあったら遠慮なく相談しなさいよ。かわゆい後輩の人生相談、乗っちゃうから!」
「ありがとうございます」
勝てない。
人に心配をかけるような子供の私じゃ、この人には、絶対に……
「んじゃ、放課後ね」
「はい」
最後まで大きく手を振って、あずりん先輩は階段を上がって3年生の階に帰って行った。
じゃーねーって、大きな声が廊下に響く。
フワリくんのいる教室に戻って行くあずりん先輩が、
フワリくんに想われているのかもしれないあずりん先輩が……羨ましい。
フワリくん。
フワリくんが特別だと思う女の子は、私に優しくしてくれる。
だから私はあずりん先輩を嫌いになれない。
でもどうしても羨ましくて、妬ましくて、悔しくて。
私だってフワリくんの特別になりたいって思ってしまう。
本当は私だけに優しくて、私だけに笑って、私だけに特別扱いをしてほしい。
それが私の、どうしようもない本音。
自分勝手で子供すぎる、
私の本音だ……


