「つーかお前ほんとあんなとこでなにやってたんだ?」
「別に。」
「別にってお前、エリカ様かよ」
「……。」
ガハガハ笑うもりりんの声が、静かな廊下に響く。
3階にある職員室、意外と遠いし……
「まぁあれだ、いじめられてんなら早いうちに言えよ?」
「……」
「可愛い可愛い教え子を、全力で守るのが俺の役目だからなっ」
悪い先生では、ないと思う。
ただちょっと、うるさいだけで。
「全然いじめられてないし、みんな私に絶賛協力中だし」
「ん?あー、青春の秘め事か」
ニタニタ笑うもりりんの机の上に、持たされていた袋をドカっと置く。
「よし、じゃあごくろうごくろう」
「もー、ジュースぐらい奢ってよ!」
「おー、今給料日前だから、今度な」
シッシッと手で払われて、むっとしながら職員室を出た。
いい奴なんだか嫌なやつなんだかよくわかんない、そんな担任。
でもまぁ、堅っ苦しい先生が担任じゃなくて、よかったとは、思う。


