「よかったねっ」
隣のヨッコが小声で喜ぶ。
あずりん先輩の気持ちが分かって、私の気持ちは今、まさに天にも昇りたいくらい浮かれている。
でも。
コーヒー牛乳、渡すタイミングがまったく掴めない。
そもそも友達でもない人に飲み物を貰うって、どうなんだろう?
何だコイツってひかれたりする?
いくらコーヒー牛乳が好きだからって……やっぱダメ、かな。
最近ずっと天気の悪かった空は、今日も雲がかかって嫌な色。
しかもいつもの雲より一層深くて、電気の点いた教室はまるで夜みたいに灯りが灯っている。
空、真っ暗……
「うぉ、雨じゃん」
「はー?雄介ふざけんなよ!」
「いや俺のせいじゃねーし」
夜でもないのに真っ暗な空からは、大粒の雨が降りだした。
すごい……ほんとに夜みたい。
雷とか鳴りそうだな。


