「つーかコツコツ頑張る男なんかと一緒にいたら疲れるだけだろ」
「頑張らないお前が威張るな」
「じゃあ大ちゃんとかどうよ？今コツコツ頑張ってんじゃん」
超真剣でまったく話しなんて聞いていないフワリくんを指さして、雄介先輩はニヤケてる。
私にとっては耳が痛い話題に、逃げるようにミサンガ作りを再開した。
「なんで今更すぐるよ。つーかそいつはコツコツ頑張ってんじゃなくて、今その旗に絵を描いてんのだって自分の趣味っつー娯楽を楽しんでるだけ。好きなこと以外なんもがんばんない男なんてまっぴらだね！」
「だよなー、今更お前ら付き合ったら俺まじビビるわ」
「ないね、ない。地球がひっくり返ってもありえない。」
「だろうな」
完全否定に心は弾む。
あずりん先輩の好きな人はフワリくんじゃない。
それが現実なんだって、体も心もホッとする。
単純な私の心は上がったり下がったり、毎日とても忙しい。
