1つ2つ3つ4つ……5つ。
フルーツ牛乳が2つ、イチゴミルクが2つ。
それからコーヒー牛乳を……1つ。
全部で5つ買った飲み物。
手伝ってくれてありがとうございますを、言えなかった代わりにお礼に買ったコーヒー牛乳。
買ったはいいものの、渡せる気がしない。
買ったのは、結局自己満足で終わりそう……
だけど、でも。
がんばる。
谷ぽんの友達みたいに、ガンガンアピールは出来ないけど。
勇気なんて全然ないけど。
でも。
がんばる……
「おー、戻ってきた!」
「遅かったね?」
「ごめんなさい、もりりんに掴まっちゃって、」
「うわー、悲惨」
「これ、飲み物、どうぞ」
「うわーい、ありがとー」
コーヒー牛乳はフワリくんのだから、見えないように隠し持つ。
早く渡さないとぬるくなっちゃうなって、教室内で既に見つけているフワリくんを見た。
私から見て正面の床で、旗係が座り込んで作業をしている。
その中にフワリくんもいて、……真剣な、横顔が見えた。
ペンを握って背中を丸めて、正面に見えるフワリくんは、なかなか顔を上げないで超真剣。
真剣な顔、かっこいい。
横顔も素敵だけど、真剣な顔も超素敵。
胸がきゅんきゅん飛び跳ねて、下書きを消す何気ない仕草にさえ見とれてしまう。
あぁ、俯き気味のその角度、やばい……


