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「あおちゃん、帰ろ~。」
悪夢のようでしかなかった、というか夢であってほしかった入学式から半年。体育祭が終わりようやく涼しくなってきた10月のある日。仲良くなった出席番号が隣の一瀬茉莉香ちゃんが声をかけてくれる。私は青葉咲穂という名前で、保育園の時は『さほちゃん』と呼ばれていたけれど、小学校からは名字の方をとって呼ばれていた。
「まくら、帰んの?」
茉莉香ちゃんと教室を出ようとすると廊下側の一番後ろの席に座る綿星くんが気だるげに話しかけてきた。綿星 彗くん───思い出すのも嫌なあの入学式の時の彼だ。
職員室に呼び出されるなんて初めてのことですっかり萎縮してしまい、うまく説明できなかった。綿星くんが私は関係ないと言ってくれたお陰で身の潔白は証明されたのだけれど、それ以来彼は何故か何かと私に絡んでくる。
「あおちゃん、帰ろ~。」
悪夢のようでしかなかった、というか夢であってほしかった入学式から半年。体育祭が終わりようやく涼しくなってきた10月のある日。仲良くなった出席番号が隣の一瀬茉莉香ちゃんが声をかけてくれる。私は青葉咲穂という名前で、保育園の時は『さほちゃん』と呼ばれていたけれど、小学校からは名字の方をとって呼ばれていた。
「まくら、帰んの?」
茉莉香ちゃんと教室を出ようとすると廊下側の一番後ろの席に座る綿星くんが気だるげに話しかけてきた。綿星 彗くん───思い出すのも嫌なあの入学式の時の彼だ。
職員室に呼び出されるなんて初めてのことですっかり萎縮してしまい、うまく説明できなかった。綿星くんが私は関係ないと言ってくれたお陰で身の潔白は証明されたのだけれど、それ以来彼は何故か何かと私に絡んでくる。



