眠り王子の専属抱き枕になりました!?

先生が『離れろ!』と言って男子を引き剥がしてくれると、彼はようやく目覚めたようでむにゃむにゃと目を擦っている。

ただでさえ注目を浴びることが苦手な私はすっかりパニックだったが、次に先生が放った一言はその混乱に終止符を打つには十分なくらいショッキングなものだった。

「二人とも後で職員室に来るように。」

先生は険しい顔でそう言うと壇上の校長先生に『すみません、大丈夫です。』とでも言うように気まずそうに頷いた。それを見ながら私は氷河期のマンモスのように凍結していた。


───こうして、希望に満ち溢れていたはずの私の高校生活は最悪なスタートをきったのだった。