『夢が叶うように勉強教える。』

綿星くんの申し出に『ええっ、そんなの悪いよ。』と返しつつ彼に教えてもらえるのなら成績が上がる予感しかしなかった。

『悪いって思うなら俺の抱き枕になって。や、むしろ抱き枕になってくれるお礼に教える。』

あの日綿星くんはそんなめちゃくちゃなことを言った。

『抱きしめながら寝るだけ。他には何もしないから。頼む。』

あまりに必死な様子でそんなことを言われて心が動きかけたけれど、『そんなの無理だよ。』と突っぱねて逃げるように教室を出たのだった。