「私はその子の背中をさすったり色々したんだけどよくならなくて、少しずつ体が透明になって消えていっちゃったの。消えていきながら『ごめんね。ぼくはまだこどもだから、きみのこわい夢をたべきれないみたいだ。きみをたすけたかったのに。』って泣きながら言ってた。誰に話しても『それは夢だ。』って言うけど、私はどうしてもそうは思えないの・・・今でも。」

「うん。」

「それから悪夢を見る頻度が格段に減ったんだ。小学生になってから調べたら、バクに夢を食べてもらったら、その時見た(ヽヽヽヽヽ)悪夢を二度と見なくなる、っていうことだったのに、まるで私の頭の中の悪夢の素を食べてもらったみたいだった。」

「へぇ、それはよかったな。」

綿星くんの笑顔は心からそう思ってくれていることが感じられて、心がじんわりと温かくなった。