───重いよぉ・・・。

ぽかぽか日和に行われている高校の入学式。体育館の窓からはこれから始まる輝かしい青春の日々を期待させるような澄み渡った青空が見える。

時折ギシッと音を立てる、ずらっと並べられたパイプ椅子。1年2組の女子の出席番号一番の私の左肩には、男子の出席番号最後の男子が寄りかかっていた・・・いや、寄りかかるというよりむしろ私の肩を枕にしていると言った方がいいかもしれない。私の肩に体温を伝えてくる彼の頭、それを彩る明るい茶髪からはほんのりと整髪料の香りがする。

───入学式から寝るなんて信じられない・・・先生にばれたら確実に目つけられるよ。髪色も明るいし。

絶対自分とは関わることのないタイプの人だと思った。