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連れてこられたのは、学校裏。


そこから少し見上げると、なるほど、エマのいっていた通り、私と桃子が座っていたあの場所がよく見える。


といっても、テラスは2階。


きっと、見えていたのは立ち姿の向日葵だけだろう。


私と桃子の声が届いていたのかもしれない。


「で? なに?」


目の前の後姿へ向けて言う。


敵意むき出し。


ここでナメられたら負けてしまう。


「ふふっ……」


クルリと、不適な笑みを浮かべて振り向くエマ。


真っ赤な唇が逆に気持ち悪くて、背筋がゾクリとした。


「あなた、モテないのね」


「は――!?」


突然の言葉に、カチンとくる。


モテないのねって……。


あぁそうだよ。


モテないよ!!