「べ……勉強終わりよ、終わりっ!!」


「終わり、ですか?」


「そうよっ!!」


恥ずかしくてたまらなくなり、向日葵から視線をそらす。


これはゲーム。


これはゲームなのよ!


自分自身に強く言い聞かせる。


「泉――?」


え……?


その声に、そっと視線を戻す。


そこには、さっき教えたばかりの満面の笑みを浮かべる向日葵。


でも……違った。


さっき、『泉』って呼んだときの声。


いつもとは違い、切なげな声だった。


「向日葵、私が視線をはずして寂しかったの?」


と、聞いてみる。


しかし、向日葵の返事はいつもの質問だった。


「あのね向日葵。寂しいっていうのは、胸がギュッとしめつけられる事を言うの。今の向日葵そうだった?」