目の前に仁王立ちしているその人物に、私は唖然とする。


瀬戸君は、大きなため息を吐き出した。


「なんだよ、エマ」


そこに立っていたのは、プリンセス、エマ――。


エマは私をチラリと見て、それから瀬戸君の方へ体を向けた。


まるで、私なんて用がない。


といった感じ。


「旭、最近付き合いが悪いと思ったら、こんな子と遊んでるの?」


「なにが言いたいんだよ」


「趣味が悪いって言いたいのよ」


その言葉に、カチンッと来る。


なにか言い返してやろうと思って口を開くが、瀬戸君が目配せをして『落ち着け』と合図を出してきた。


なんなの、この女!!


そりゃぁ、私はエマより可愛くないしスタイルだっていまいちかもしれない。


でも、努力を怠ってるワケじゃないのよっ!